WORK023 家族の「つながり」と「個々の時間」を大切にする、小屋裏部屋のある家
山梨県南アルプス市
※写真は外構工事前
施主様から以下のご希望をいただきました。
・ご主人は趣味を楽しめる自分だけの空間を。
・奥様はキッチンのつながりにやはりご自分だけのスペースを。さらにその空間にゆとりを持たせて将来的にはお子さまと並んで一緒にお絵かきをしたり、勉強もみてあげたい。
・それぞれの空間に「つながり」を感じられるように。
・子供部屋はあとから壁で仕切って個室にしたい。
・ペット(高齢のコーギー犬と現役で元気な猫)にやさしく、お世話しやすい環境を。
・夏は南アルプス連邦から降りる涼しい風を家全体に取り込みたい。冬は気温が低くなる地域なので全体がぬくもりに包まれるようなあたたかい家に。
・黒と白を基調にした こだわりの外観に。かつ周囲の景観に馴染むデザインで。
・富士山の景色を満喫できる窓を。
ご主人のお城 ~屋上バルコニーと景色を堪能する小屋裏部屋~
小屋裏の全容です。
入口は扉を設けず、ロールスクリーンで仕切ります。これにより他の空間との距離感が「遠からず、近からず」適度に保たれています。
夏は階下から入ってくる南アルプスの風が小屋裏から抜けて気持ちよく、冬はやはり階下から昇ってくる蓄熱暖房のぬくもりが小屋裏部屋を包み込みます。
南窓はピクチャーウィンドウで富士山を眺め、北側の「屋上バルコニー」ではBBQも楽しめます。
富士山を眺める借景風ピクチャーウィンドウ
小屋裏部屋 南面の窓を大きく取り、借景風にしました。奥はFIX窓に。手前は引違いにして風を取り入れます。 ※写真では撮影者が不得手なため、あいにく富士山が映り込んでおりません。
奥様のお城 ~ワークスペースのあるキッチンで大好きなオレンジ色を満喫~
ワークスペースの窓にはプリーツスクリーン ツインタイプを設置。オレンジのキッチンに合わせています。
気分や時間帯によってカラーのバランスを変えられるのがツインタイプの醍醐味です。
集成材の造作カウンターと天井まで伸びる可動棚。
何を飾って何をしまおうか。
今頃お子さまとお絵かきをしているでしょうか。
↓ こちらはワークスペースから見たキッチン。
洗面所など水廻りが隣接していて家事動線もバッチリです。
お世話しやすいペットのお部屋
施主様がとてもこだわったのは関節が弱っている老犬のコーギーに負担のかからない床材プラス清掃性の高さ。そして壁も汚れや傷に強く清掃性の高いもの(いつか物置として使う可能性があり)
床は昨今 滑りにくさと清掃性を特徴とした床材が多く販売されておりますが、
●土間での採用であること
●床の汚れをブラシでゴシゴシ洗いたいとのご希望あり
●清掃後 においが残らないこと
の条件で各社のサンプルを取り寄せ社内で実験及び検討したうえ、サンゲツ社のノンスキッドを提案いたしました。ノンスキッドはマンションの共有部分(廊下やエントランスホール等)などに使用されています。そのため「防滑性」があり「お掃除簡単」で「車椅子やベビーカーの移動がスムーズ」な素材です。
※「」内はサンゲツ社HPより引用
コーギーちゃんは向かって右側の階段下を専用スペースに。施主様からは起き上がるときの負担が減ったようだ喜んでいただきました。仲良しの現役ねこちゃんのゲージは向かって左のスペースに置かれているそうです。
冬など扉を閉めたまま換気が出来るよう、強制換気も設置しました。
壁の素材は清掃性の高さから ニチアス社の化粧けい酸カルシウム アスラックスを提案しました。「UVコート+特殊アクリルウレタン系塗料で仕上げているため、耐薬品性、メンテナンス性にも優れています。」(アスラックス社HPより引用)
リビングからつながる小上がり和室は①普段は造作格子で風通し良く②客間として使うときはロールスクリーンで仕切りを
フローリングのリビングの延長線上に和室や畳スペースを設けるデザインは最近よく選ばれます。施主様は ごろんとくつろいで横になれる空間にしたいとのご希望でした。
落ち着いて横になるには やはりフローリングに対して畳をフラットにつなげるよりも、段差がある方が
①衛生面:歩くときの音やほこりの舞いなど影響を受けにくい
②段差による目線の変化で空間におしゃれ感が生まれる
③小上がり部分を引き出し収納で2次的利用も
あと、こちらはお引き渡し時の施主様の感想ですが
④段差に腰掛けながら「リビングの大きな腰掛みたいで気持ち良い」とおっしゃっていただきました。
この細い格子のタイプは既製品がないため、造作としました。格子の色とロールスクリーン、襖の市松模様の色は提案させていただきました。
埋め込み"風”玄関収納でフラットな玄関に
玄関収納の上部の壁を奥行きに合わせてふかしました。そのため一面全体がフラットな埋込”風”仕上がりです。
その効果で窓の奥行きが外への広がりを感じさせてくれます。
家族のライフステージに合わせて変化する大きな洋室
2階南側に位置する大きな洋室。画像は東側から西側を映してます。
最初はプレイルームとして広々と使用され、お子さまの成長に合わせていずれは壁で東西に仕切って個室とされるそう。あらかじめ東西をシンメトリーに照明、窓、クローゼットを用意してます。
複数の子ども部屋を検討されるケースでは、弊社ではあらかじめ大きめの空間を耐力壁で囲み、必要な時に壁(耐力壁でない)で仕切って部屋をつくる方法をおすすめしています。
これなら、お子さまが巣立ったあとは大掛かりな工事をせずに戻すことができます。
「巣立つ」というのはひとつのライフステージの終了を意味します。
マイホームの新築を検討されるきっかけのひとつに「そろそろ子供部屋を持たせたい」が多いと感じます。
ですが、ながい「家の一生」の中で子どもが巣立つまでの間に個室が必要な時期は意外と短いのです。大切な子どものために当てる空間の多くは、家の中でも陽当たりも景色も良い特別な場所。けれど成人されたあと引き続き使用されない場合、その特別な空間を除いた残りの空間で「次のライフステージ」を築いていくことなります。
ライフステージに合わせて変化できる間取りも検討したいですね。
このほか、洋室には室内干し(川口技研「ホスクリーン」)を設置。近年は室内干し用のポールでもインテリアに干渉しないタイプやインテリアそのものとなるタイプも出てきています。
廊下の向こうに見えているのは洗面所と引戸タイプのトイレです。
2階の洗面所はニッチ収納にして明るさと広さを確保
採光と風通りを重視される奥様。洗面所といえば暗くなりがちで、鏡の裏に収納(ミラーキャビネット)を持たせるとその分圧迫感もでます。2階の洗面の収納には洗面台(本体)のみを用い、鏡やよく使うものはニッチに収めることに。
これにより細々としたものが目に入る洗面所もすっきりします。
※撮影時間は夏の午前10時頃。西側の窓ですが自然光でも十分な明るさが取れています。
最後に
もう一度リビングダイニング。
キッチンカウンターのペンダントライトはKOIZUMI照明のTeary(ティアリー)。
しずくが落ちる瞬間のフォルム。エコクリスタルガラスが上品さとやさしさを醸し出しています。
画像はKOIZUMI照明HPより
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